文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

小説を書く力について

 

公募ガイド2020年9月号に掲載されている「3日間で書ける!超短編小説キット」という記事を紹介する。この号では、雑誌の14ページを割いて、小説を書くためのコツを具体的に分かりやすく解説している。
この記事は、原稿用紙10枚の小説を想定し、着想から推敲までを手ほどきする内容だ。原稿用紙10枚は4000文字程度。これは短めの短編の分量である。小説として過不足なく表現でき、誰でも完結できる分量でもある。

この記事では、初めて小説を書く人に、題材を実体験ベースにすることを勧めている。空想だと作品に入りにくいからだ。実体験をそのまま書くことに抵抗があるなら、実話を抽象化したり別の素材を代入したりすればよいとのこと。
登場人物の設定に関しては、自分をモデルにして書いてもよい。短編の場合、主要人物は数人でよく、登場人物を主人公一人だけにすることも可能だ。
10枚程度の小説なら、綿密なプロットがなくても起承転結などを意識すれば大丈夫。この記事では、オーソドックスな時系列フォーマットとして、発端・反応・山場・結果という構成を紹介している。また、応用についても解説している。小説を書きたい人には、為になる分かりやすい説明だと思う。
その他にも小説を書くためのコツやポイントがいくつも解説されている。特に重要と感じたのが、場面を作るということ。小説はどんな書き方をするのも自由だが、あえて必要なものを挙げるとすれば、場面。小説は場面の積み重ねでできている。この事は、記事の最後で詳しく解説されている。
これらの事を理解できれば、短めの短編を一編書くことができる。繰り返し書いていると、実力がついてくるだろう。次のステップへの足掛かりにもなりそうだ。小説を書きたいなら、目を通しておく価値のある内容だと思う。

この記事には、小説を書く才能は誰でも持っているので、どう磨くかの問題と書かれている。小説の執筆では特別なことを題材にしなくてもよい。日常生活の中にも、小説にできるエピソードが眠っている。よい小説の条件は、気づきや共感があること。知らない世界のことは下調べが必要だが、得意な分野で自分の知識や経験をもとに書くのなら、下調べも不要。

大人が書けないと感じるのは、「読む力」が「書く力」を大きく上回っているから。そういった方は成長の可能性が高いそうだ。また、たくさんの小説を読むことも大切だが、まず書いてみることを勧めている。小説は、書けば書くほどうまくなるので、自分が面白いと思うことを楽しんで書くことが大切とのこと。