文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

類語国語辞典の価値を知る

一般的な国語辞典はアイウエオ順の配列。対して、類語国語辞典は、単語を体系的に意味別に分類して配列している。
これは両者の大きな相違点だ。そのため類語国語辞典は、一般的な国語辞典のように五十音順では引けない。索引から引くことになる。

 

『類語国語辞典』(大野晋・浜西正人, 角川書店, 1985年1月30日初版発行)の著者の一人浜西正人氏によれば、一般的な国語辞典は、個々の語を他の単語で言い換えるだけ。対して、類語国語辞典は、細かい意味を記述し、単語相互の潜在的関係を顕在化できるとのこと。
浜西正人氏はまた、言葉はばらばらにではなく、意味の群れとして記憶し、その場に応じて的確に使用することが望まれる、とも述べている。それにより、本当の意味で語彙が豊富になるのだ。

単語が使われるときの意味には二つの関係性がある。一つは、実際に使われるときの単語の意味が、文脈の中の単語相互の関係性で決まること。
もう一つは、類似する単語間にも潜在的な関係があり、文脈に使う語として選ばれた単語と選ばれなかった単語には潜在的な関係の制約があるということ。

一つの単語の意味を知るには、潜在的な関係を保つ単語群の中での、その単語の位置を知る必要がある。浜西正人氏は、類語国語辞典を使う意義をこのように述べている。