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日本人の起源を科学的に解明、DNA解析の新書を読んだ感想

DNA解析により日本人の起源を解明しようとする分子人類学者2人の試み

日本人の起源について関心があるので、斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』という本を購入して読んだ。
斎藤成也氏は遺伝学者あるいは分子人類学者。
以前、同じく分子人類学者の篠田謙一氏の『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』という本を読んだことがあるので、比較もしてみた。

斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』

 

著 者: 斎藤成也
出版社: 河出書房新社
発売日: 2017年10月24日

著者の斎藤成也氏は遺伝学者・分子人類学者。
核DNAは、両親からの遺伝情報を受け継ぐ。
日本人の起源に関する最新情報を知りたくて購入した。
ただし、日本人の起源の解明というよりは、先端技術である核DNA解析に関する本という印象を受けた。
日本人の源流を解明することは、難しいようである。

核DNA解析による日本人の起源の解明に関しては研究段階のようだ。
これまでの仮説を先端科学で証明することに、意義があるのかもしれない。

以前、母系を辿るミトコンドリアDNAによる解析の本を読んだことがある。
篠田謙一氏の著作『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』である。
日本人の源流の解明ということに関しては、両者に大差はないように感じた。

斎藤成也氏の『核DNA解析でたどる 日本人の源流』は、研究過程の苦労話や解析方法に関する話が多く、遺伝学の分野に進む学生などが読むのに適していそうだ。
ミトコンドリアDNAやY染色体などの他の分子人類学や、考古学、形質人類学など、関連分野の研究者との協力も必要なのだろう。

篠田謙一氏の『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』

 

著 者: 篠田謙一
出版社: NHK出版
発売日: 2019年03月25日

篠田謙一氏の研究にも、簡単に触れておく。
私が読んだ『日本人になった祖先たち DNAから解明するその多元的構造』(NHKブックス)は、2007年発売の旧版である。

こちらの本は、2019年に新版が発売されているので、読むとするなら新版が良いだろう。
新版には、核DNA解析やその後明らかになったことを盛り込んでいるとのこと。
ただし新版は読んでいないので、はっきりしたことは分からない。
また、篠田謙一氏の研究はミトコンドリアDNAが中心のようだ。

旧版が発売された頃、ミトコンドリアDNAという言葉が話題になっていたので購入した。
ミトコンドリアDNAは母性遺伝情報。つまり母系のみを辿ることになる。
人類の系統を辿るには、父系を辿るY染色体の分析と併せて検証する必要があった。

分子人類学者の研究は、人類の移動、あるいは歴史を知る手掛かりになる。
古人骨と現代人のDNA解析により、人類の系統や分布が分かってきたが、日本人の起源を解明するのは難しいようだ。

2020年3月23日