文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

村上龍『限りなく透明に近いブルー』 舞台は作者が以前住んでいた街

 

『限りなく透明に近いブルー』は、村上龍さんが大学在学中に書いたデビュー作です。1976年に群像新人文学賞を受賞し、『群像』に掲載されました。
そして、その年の第75回芥川賞を受賞しました。

物語の舞台は、横田基地のある東京都福生市です。
主人公のリュウが暮らすアパートの一室や周辺で起こる出来事が描かれています。

リュウが住むアパートの通称はハウスです。
米軍基地の周辺にあった米軍住宅はハウスと呼ばれていました。
リュウの住むアパートには、恋人のリリーのほか、複数の男女が出入りしています。
彼ら彼女らは、ドラッグやセックスに溺れ、自堕落な生活を送っています。
時には、米軍基地の黒人達も加わりました。

リュウと仲間たちの交流は、常軌を逸しており退廃的です。
そんな虚しい日々が続く毎日ですが、若者たちはその先に希望を追い求めているようです。

また、村上龍さんは、実際に福生市に住んでいた時期があり、その頃の体験が小説の執筆に活かされています。