文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

三木三奈「アキちゃん」徐々に明かされるアキちゃんの人物像

三木三奈さんの小説「アキちゃん」は第125回文學界新人賞を受けた作品。
『文學界』2020年5月号(文藝春秋)に掲載されている。
第163回芥川賞の候補作でもある。

小説「アキちゃん」は、一人の女性が小学5年のときに同級生だったアキちゃんのことを、回想しながら語る構成である。
小学生のときにミッカーという渾名で呼ばれていた語り手は、小学5年の一年間、アキちゃんと同級生だった。

物語の冒頭から、アキちゃんが大嫌いだった、憎しみに近いと始まる。
アキちゃんの正体が徐々に明かされていくが、実はトランスジェンダー。

読み終えて、寄り添わない小説という意味が分かった。
ただ小学生の女の子の心理として、自然に共感できる方は多いかもしれない。
ミッカーは春休みに入ると同時に転校した。
その後、ミッカーはアキちゃんと再会することはない。

ミッカーは、偶然にも当時のクラスメートである、タナさんと同じ女子大に入学し、アキちゃんのその後を知った。
あらすじに触れ過ぎると、読む楽しみが減りそうなので、これ以上は触れない。

今のご時世では性的マイノリティへの理解が深まっている。
作中の最後でも、それを踏まえて締め括っているように感じた。