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岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』人間関係の悩みを軽減してくれる本

 

岸見一郎・古賀史健『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』ダイヤモンド社, 2013年12月

人間関係の悩みを軽減してくれた本

アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、1870年 - 1937年)は、オーストリア出身の精神科医であり心理学者でもある。ジークムント・フロイト(Sigmund Freud、1856年– 1939年)およびカール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung、1875年- 1961年)と並んで、心理学三大巨匠の一人とされている。

日本におけるアドラーの知名度は、フロイトやユングほどではなかったが、本書がベストセラーとなったことで、日本でも広く知られるようになった。私もその一人である。

日本でもフロイトやユングのパーソナリティ理論はお馴染みだが、アドラーもまた現代のパーソナリティ理論や心理療法を確立したひとりらしい。欧米での人気は抜群で、多くの自己啓発書の源流ともなっているとのことである。

そして本書の著者のひとり岸見一郎氏はアドラー心理学の第一人者。本書は岸見一郎氏とライターの古賀史健氏とがタッグを組み、「哲学者と青年の対話」という形式でアドラーの思想を解き明かしている。

私は、もっと若い頃に、フロイト心理学やユング心理学を基にした本も含め、人間関係や自己啓発、コミュニケーションなどに関する本を何冊も読んでいた時期があった。

しかし『嫌われる勇気』は、これまで読んできた他の本とは、書いてあることや発想などが異なっていた。

本書がその後の自分にどのような影響を与えてくれたのかは、はっきりとは分からない。というのも、こういう考え方や生き方もあるのだと、頭の片隅に留めてはいたものの、意識をして実践していたわけではない。ただ、頭に残っているということは、印象深く一定の影響を受けたということでもある。

もしかしたらすでに良い結果につながっていたのかもしれないし、これからの人生において良い結果をもたらしてくれるかもしれない。本書は人間関係の悩みを軽減してくれる良書だと思う。人付き合いを多少なりとも楽にしてくれたような気がする。