文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

映画『コーヒーが冷めないうちに』戯曲を小説化、そして映画化

 

とある街のとある喫茶店「フニクリフニクラ」での不思議な物語。
喫茶店「フニクリフニクラ」には都市伝説がある。
それは、店内の特別な席に座ると、望みの時間にタイムトラベルできるという話。

過去に戻ったり未来に行ったりできるのは、コーヒーをカップに注いでから、そのコーヒーが冷めてしまうまで。
ただし過去に戻っても現実は変わらない。
喫茶店から出ることもできない。
この喫茶店を訪れたことのある人にしか会えない、などの制約がある。

タイムトラベルするには、店内の決められた席に座り、時田家の女性にコーヒーを注いでもらう必要がある。
喫茶店「フニクリフニクラ」は、時田数(有村架純)と店主で数の従兄の時田流(深水元基)が切り盛りしている。

注意しなければならないのは、コーヒーは冷める前に飲み干さなければならないということ。
コーヒーを飲み干せば戻ってくることができるが、飲み干す前にコーヒーが冷めてしまうと戻れなくなる。
そして戻れなかった人は幽霊になる。

またタイムトラベルできる席には先客がいて、先客がトイレに行くために席を立つのを待つ必要がある。
その先客とは実は幽霊。

『コーヒーが冷めないうちに』は、もともとは川口俊和氏による戯曲である。
当時川口俊和氏は、舞台の脚本家兼演出家として活躍していた。
川口俊和氏は、2010年に初演された舞台『コーヒーが冷めないうちに』を、2015年に同名で小説化した。
この時の小説『コーヒーが冷めないうちに』は、川口俊和氏の小説デビュー作。

この小説はシリーズ化され、2017年に『この嘘がばれないうちに』、2018年に『思い出が消えないうちに』が発売された。
出版元はサンマーク出版である。
小説化するにあたっては、舞台公演を観たサンマーク出版の編集者・池田るり子氏が舞台に感動し、川口俊和氏へ小説化を依頼したという経緯がある。

映画化では、同名の『コーヒーが冷めないうちに』と続編『この嘘がばれないうちに』を原作にしている。
映画『コーヒーが冷めないうちに』は、2018年に公開された。

原作: 川口俊和『コーヒーが冷めないうちに』『この嘘がばれないうちに』サンマーク出版刊
監督: 塚原あゆ子
脚本: 奥寺佐渡子
出演:有村架純 伊藤健太郎 波瑠 林遣都 深水元基 松本若菜 薬師丸ひろ子 吉田羊 松重豊 石田ゆり子