文学の嗜み

文学表現全体の総合的な研究

中型国語辞典を使って、効率的に語彙力と文章力を付ける

iPadに中型国語辞典アプリを3つインストールしています。
中型国語辞典の電子版を、iPadにインストールして使用できるとは、とても便利な時代になりました。使用している中型国語辞典は、『精選版 日本国語大辞典』『広辞苑』『大辞林』の3種類です。

『精選版 日本国語大辞典』は、精選版といっても、わが国最大の国語辞典『日本国語大辞典』の精選版ですから、かなりの情報量があります。
紙の『精選版 日本国語大辞典』は、全13巻の『日本国語大辞典』を精選・凝縮して全3巻にまとめたものです。
『日本国語大辞典』の編纂には、国語学・国文学の専門家に加え、各界の権威、社会科学および自然科学の研究者などが、携わっています。
『日本国語大辞典』の収録は、総項目数50万、用例数100万。対して、『精選版 日本国語大辞典』は、総項目数30万、用例数30万。『広辞苑』および『大辞林』の総項目数は25万です。

『精選版 日本国語大辞典』と、『広辞苑』および『大辞林』を比較すると、総項目数だけだと30万と25万の違いとなります。しかし前述したように、『精選版 日本国語大辞典』は全3巻。『広辞苑』および『大辞林』と比較すると、情報量はかなり違います。解説が詳しく、用例も豊富です。これは当然のことでしょう。

中型国語辞典では、『広辞苑』や『大辞林』の方が有名ですが、広く深い知識を得たいなら、『精選版 日本国語大辞典』が良いかもしれません。幅広い分野のことを色々と知りたいなら、『精選版 日本国語大辞典』で調べた方が早いことが多くなるでしょう。
というより、『精選版 日本国語大辞典』に載っていても、『広辞苑』や『大辞林』に載っていない用語が多いのです。

新語を調べるときは、『大辞林』と『広辞苑』、特に『大辞林』が良いかもしれません。なぜなら『精選版 日本国語大辞典』には、新語があまり載っていないからです。精選版ということもありますが、これは出版社あるいは辞典の特徴とも言えるでしょう。
『大辞林』の出版社は三省堂ですが、小型国語辞典の三省堂国語辞典も新語に強い辞典です。『広辞苑』の出版社は岩波書店で、『精選版 日本国語大辞典』の出版社は小学館です。

『広辞苑』と『大辞林』を比較すると、『広辞苑』の方が売れています。

ライターの仕事をしている方には、『大辞林』の方が人気があると、聞いたことがあります。理由は、各用語の解説の順番が現代の使用例から始まっていて、使いやすいからとのことです。

岩波書店の『広辞苑』についての公式サイト(『広辞苑 第七版』 - 岩波書店)には次のような文章がありました。内容は、2017年に91歳で亡くなられた作家の杉本苑子さんに関することです。

2017年5月に亡くなられた作家の杉本苑子さんは、随想『春風秋雨』で、「葬式も墓も無用、骨は海にでも撒いてしまってほしい」と書き、続けて、文学者の墓の自分の名の下に、「使い古した『広辞苑』を一冊、埋めてくれ」と遺言した、と記しておられます。

試しに「文学」という言葉を引いてみました。

『広辞苑 第七版』新村出, 岩波書店

①学問。学芸。詩文に関する学術。
②(literature)言語によって外界および内界を表現する芸術作品。詩歌・小説・物語・戯曲・評論・随筆などから成る。文芸。
※③、④は省略します。

『大辞林 第三版』松村明, 三省堂

①〔literature〕言語表現による芸術作品。詩歌・小説・戯曲・随筆・評論など。文芸。「―作品」「―書」「―を愛する」
②詩・小説・戯曲など文学作品を研究する学問。文芸学。
③文芸学・語学・哲学・心理学・史学などの総称。「―部」
※④は省略します。

『精選版 日本国語大辞典』小学館

①(古くは「ぶんかく」とも)(―する)学芸。学問。また、学問すること。
②=ぶんしょうがく(文章学)
③(―する)芸術系の一様式で、言語を媒材にしたもの。詩歌・小説・戯曲・随筆・評論など、作者の、主として想像力によって構築した虚構の世界を通して作者自身の思想・感情などを表現し、人間の感情や情緒に訴える芸術作品。また、それを作り出すこと。文芸。
④詩歌・戯曲・小説などの文学作品を研究する学問。
⑤自然科学・政治学・法律学・経済学等以外の学問、すなわち③や史学・社会学・哲学・心理学・宗教学などの諸分科を含めた称。
※⑥、⑦は省略します。